2020.11.07 |
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シェア・シミュレーションを実際の市場シェアに近づけるように補正できますか?
はい、可能です。
External Effect(外部補正)を適用します。この処理は比較的よく実施いたします。
通常は配下力や流通力、そもそもの認知等、調査画面で得られる情報と市場の実態とは乖離することが多いため、この値を補正値として指定します。
外部補正値の求め方は簡単です。
まず基本シナリオ(現状の各社製品スペックを属性水準で表したシナリオ)を作成し、何もしない状態で一度マインドシェアを求めます。各製品ごとに実際シェアをマインドシェアで割ることで求められます。
例えば2製品での場合は、
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1) 製品AとBをそれぞれく属性水準で表しベースシナリオを作成します。この結果が製品A=60%、製品B=40% のマインドシェアになったとします。
2) 製品Aと製品Bの実際の市場でのシェア(リアルシェア)を既知の販売台数や何等かの二次データ、あるいはスクリーニング等の情報を基に計算します。例えば製品A=35%、製品B=65%が現状シェアだったとします。
3) この場合、製品A、つまりブランドAの外部補正値は35÷60=0.5833、ブランドBは65÷40=1.6250になります。
4) この数値をシミュレータに反映します。
5) この状態で再度シミュレーション計算を実施すると外部補正が適用されているため、マインドシェアは製品A=35%、製品B=65%と実際シェアに合致するよう補正されます。
6) この状態を基本としてシナリオを可変させてシミュレーションを行うことで比較的にリアリティが高い予測を行うことができるようになります。
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尚、上記例の製品Aようにマインドシェアは60%と高いのに実際シェアは35%と低いような場合は、製品実力は高いのに、「知られていない」「売っていない」等々の販促力の弱さがあるということになります。逆に製品Bは製品実力の弱さを販売力でカバーしているという解釈が成り立つかと思います。
注意としては、外部補正値はこのように既に上市されている製品に対しては入れることが可能ですが、全く新しいジャンルの商品等については現行シェアが存在しないため適用が難しくなります。