2020.06.03 |
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BPTOとコンジョイントの違いは何でしょうか?両者のメリット・デメリットはありますか?
BPTOはBrand-Price-Trade-Offの略で、ブランドと価格のみの、単純に2属性のコンジョイントということです。特にメリットデメリットのようなものはないのですが、強いて上げるとすれば、以下のような感じかと存じます。
当然ながらBPTOではなく3属性以上等、属性数が多い程、将来予測には応用できるということになります。
▼BPTO: BPTOの例
〇ブランドと価格しかないので回答者が簡単に回答できる
×当たり前ですがブランドと価格の相対重視度しかわからない、つまりスペックについて聴取しないので、機能や成分等の重視度がわからない
×同様に、機能や成分を変更した場合の将来シナリオを見据えたシミュレーションができない(無論、価格可変のシミュレーションは可能です)
▼2属性以上のコンジョイント: 2属性以上コンジョイントの例
△複数の属性が設定されるので属性数が多いと回答者負担が増える。但し、内容が分かりやすく、水準である用語が簡単・端的であればさほど問題はない
〇BPTOと逆であり、各属性の重要度がわかる
〇BPTOと逆であり、価格以外の要素を変動させた場合のシミュレーションが可能である
こうしたところでしょうか。
機能性や成分、価格以外の変動要素が想定されない、あるいは想定できない、または機能や成分がブランドと一体(ブランドそのものの特徴)等であればBPTOの2属性コンジョイントでよろしいかと存じます。
機能やデザイン他、その他要素がもし機能アップや変化した場合に、どの程度インパクトがあるのか、カニバリは起こるのか等のシミュレーションを行う想定あればブランドと価格以外の他の属性要素も加えた2属性以上のCBC等を行うという感じになります。
▼補足
尚、BPTOはトラディショナルなやり方として、直交性を意識するコンジョイント型ではない以下のようなものもあります。
・一度に複数のブランドと全部一律の価格を呈示し好みの1つを選んでもらいます。
・すると、その選択されたブランドのみ価格が1段階上がり、再度選択を依頼します。
・さらに、選択を進めてもらうと、その選んだブランドのみ価格が1段階上がり続け、「もう買わない」という段階まで続くという方法です。
※こちらの方法の問題点は・特定のブランドのみ価格が上昇するというアンナチュラルな状況。・もう買わないにすぐ達した場合の情報量の少なさ。・回答者ごとに選択レベルが異なるため情報量が様々でいびつで効用値化しずらい等がありますので、上述のコンジョイントタイプのBPTOつまり、直交の概念がベースにあるBPTOの方が扱い安く精度維持もしやすいと言えるでしょう。