2020.07.17 |
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サービスに新機能を追加しようとしていますがそれの最適な組み合わせと組み合わせに応じた価格を知りたいという要望です。機能の組み合わせによって最適な価格は算出できるかと思いますが、各機能の費用を算出する方法はございますでしょうか?
コンジョイントの場合、相対的な価値を測定することになりますので、絶対金額としてサービスがいくらに相当するのかを測定する手法としてはあまり向いていないかと存じます。
消費者目線では基本的に高機能で、最も安い金額が望まれるため、最適な組み合わせとしては、もっとも人気の高い機能(効用値の高い機能)と最も安い価格の組み合わせが最適となってしまうのであまり意味がなくなってしまいます。つまり全部入りで最も安いものとなります。当たり前です。
無論、価格が低⇒高へ変わった場合、どの程度シェアや購入マインドが落ちるかについては測定可能です。
つまり、コンジョイントではどの機能が最も人気が高いのか、また価格を変化させた時どのように購入マインドシェアが低下するのかを見ることは可能です。併せて費用のインパクトがどの程度大きいのかも把握できます。
コンジョイントでの金額設定の考え方は、メーカーやサービスの提供社が、「この機能を入れると、これだけ金額はアップしなければならない。でも消費者に受け入れられシェア維持できるだろうか?」というような使い方でのアプローチになります。単純に機械的にこの金額が良いという結果は当然得られません。機械的にはメーカー側のこのような事情はわからないからです。
また、機能の金額価値についても、やはり相対的な金額感、つまり機能A⇒機能Bに変わった場合の金額価値を算出することは可能ですが、残念ながら絶対値として機能Aがいくらに相当するのかをコンジョイントにてダイレクト算出することはできません。
恐らく、機能の絶対的な金額価値についてはPSM的な方法の方が良いようにお見受けいたします。(PSM等の金額絶対値の把握後、その金額値を元にコンジョイントの金額水準を設定し実施する場合は多くございます。)
よって、ご提案としては、
1.各サービスの人気とそれぞれの許容額を「直接聴取」、あるいは「PSM等の絶対金額聴取方法」にて各機能の支払可能額を聴取
2.上記金額を含む価格水準を設定したコンジョイントにより購入マインドの変化を測定
という流れが良いように思います。いかがでしょうか。