2020.08.20 |
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ソーセージに関するプライシング調査 [MTレター043]
20~69歳の619名を対象に「ソーセージ」をテーマとして自主企画のプライシング調査を実施しました。
調査手法
BPTO調査(Brand Price Trade Off)
BPTO調査はDCやCBC等と呼ばれる「選択型コンジョイント調査」の一種で、商品と価格のトレードオフを計量する手法です。
BPTO調査では「自社や競合の商品が変更になったり、値上げや値下げをしたときに、どのくらい販売量やシェアが変化するのか、つまりどのくらいの利益が出るのか?」などをシミュレートできます。
属性水準表
BPTO調査では被検者に呈示する「属性」と「水準」を決めます。
BPTO調査は「Brand Price Trade Off」の名前の通り、「ブランド」と「価格」のトレードオフ調査ですので、属性は「ブランド」と「価格」になります。
「ブランド」属性の水準はソーセージの銘柄、「価格」属性の水準はソーセージの価格を設定します。
今回のBPTO調査の属性水準表は以下の通りです。
[TIPS]
できるだけたくさんの商品(ブランド)を対象とした方が良いですが、現実問題としては難しいので目標として市場の8割をカバーするくらいのTOPブランドを入れることをオススメします。
価格水準は実態価格の上限x1.2倍~下限x1.2倍程を目安にして下さい。
結果サマリー
人気ブランドトップ3は?
BPTO調査で各ブランドごとにどの程度人気があるのかをプラスマイナスゼロを中心として表しているのが「平均効用値」です。
ブランドの平均効用値をみると「シャウエッセン」が最も高く、次いで「アルトバイエルン」「香燻」と続いており、この3銘柄が人気ブランドトップ3であると言えます。
ソーセージのプライシングで注意すべき金額は?
価格の平均効用値を見てみます。
価格水準の効用値の変化を見ると概ねリニアに推移していますが、400円を超えるところで急激に効用値が低下していることがわかります。
つまり、消費者はソーセージの価格感として400円を超えるか超えないかを重視していますので、ソーセージのプライシングの際には400円の閾値を意識して決めることをオススメします。
実力があるソーセージは?
もう少し詳しく各商品の実力がどれ位かを見るのに「総合効用値」があります。
総合効用値は「各ブランドのそれぞれの効用値」と「それぞれの価格ポイントの効用値」を足しあげたもので、その価格ポイントにおける商品の実力と言えます。
人気トップ3の「シャウエッセン」「アルトバイエルン」「香燻」で比較してみます。
弊社で調べましたシャウエッセンの平均価格は「370円」で、シャウエッセンの「370円」の総合効用値は「2.9」です。
「アルトバイエルン」では「310円」、「香燻」は「290円」の時にシャウエッセンの総合効用値「2.9」と同程度の効用値になります。
つまり、「アルトバイエルンは310円」「香燻は290円」で「シャウエッセンの370円」に対抗できると言えます。
シミュレーション
効用値を使ってシェアシミュレーションを行ってみました。
シミュレーションのシナリオ一例として、現状の市場にある商品構成から「御殿場高原あらびきポーク」の価格のみを20円刻みで変化させたら「御殿場高原あらびきポーク」のシェアはどうなるか?を表したのが以下グラフです。
弊社で調べました「御殿場高原あらびきポーク」の平均価格は「350円」ですが、仮に価格を「290円」とした場合、「御殿場高原あらびきポーク」のシェアが「3.7%」から「9.3%」とかなりのシェアアップが見込めるという結果になりました。
その他BPTOでは以下が明らかになります
» 価格変動: 自社の値上げ、値下げ、競合の値上げ、値下げでの販売量変化
» 商品変更: 自社競合のパッケージや機能変更・付加の売上影響
» 商品価値: 平均的な商品像からの価格価値
» 売上指数: 最も売り上げ(利益)が出る価格は?
BPTOは飲料や食料品、洗剤等の日用品だけではなく、衣食住遊に関する全ての商材やサービスのジャンルをカバーします。
どんな業種にもあてはまると思いますのでぜひお気軽にご相談ください!