2020.09.16 |
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袋麺に関するプライシング調査 [MTレター045]
20~69歳の571名を対象に「袋麺」をテーマとして自主企画のプライシング調査を実施しました。
調査手法
BPTO調査(Brand Price Trade Off)
BPTO調査はDCやCBC等と呼ばれる「選択型コンジョイント調査」の一種で、商品と価格のトレードオフを計量する手法です。
BPTO調査では「自社や競合の商品が変更になったり、値上げや値下げをしたときに、どのくらい販売量やシェアが変化するのか、つまりどのくらいの利益が出るのか?」などをシミュレートできます。
属性水準表
BPTO調査では被検者に呈示する「属性」と「水準」を決めます。
BPTO調査は「Brand Price Trade Off」の名前の通り、「ブランド」と「価格」のトレードオフ調査ですので、属性は「ブランド」と「価格」になります。
今回のテーマは袋麺ですので、「ブランド」属性の水準は袋麺の銘柄、「価格」属性の水準は袋麺の価格を設定します。
今回のBPTO調査の属性水準表は以下の通りです。
[TIPS]
できるだけたくさんの商品(ブランド)を対象とした方が良いですが、現実問題としては難しいので目標として市場の8割をカバーするくらいのTOPブランドを入れることをオススメします。
価格水準は実態価格の上限x1.2倍~下限x1.2倍程を目安にして下さい。
結果サマリー
よく売れている袋麺は?
過去1ヶ月以内に購入した袋麺を聞いたところ、1位「サッポロ一番みそ」28%、2位「サッポロ一番塩」26%、3位が同率で「チキンラーメン」「マルちゃん正麺醤油」22%という結果になりました。
袋麺は価格が大事!
BPTO(コンジョイント)調査はブランドと価格のみを表示して被験者に商品を選択してもらい、どの商品を選択したかで「ブランド」と「価格」がそれぞれどの程度重視されているかを測定するものです。
袋麺は「ブランド」と「価格」が約半々で重視されており、他の商品に比べると価格が重視されていることがわかりました。
以下は以前弊社で実施した食品関係のBPTO調査の重視度結果の比較です。
価格の重視度はレトルトカレー「20%」、ソーセージ「30%」に対し、袋麺は価格の重視度が「50%」という結果になりました。
価格の平均効用値の比較グラフ
平均効用値は属性(価格)の中でどの水準(287円、297円など)が好まれるかを現した指標です。
以下は以前弊社で実施した食品関係のBPTO調査の価格効用値結果の比較です。
袋麺の最安値287円は4ポイント、最高値347円はマイナス4ポイントで、その差が8ポイントあります。
それに対してカレーは最安値と最高値の差が4ポイント、ソーセージはその差が6ポイントです。
属性の重視度が高いほど効用値のポイントレンジ幅が大きくなりますので、ここでも袋麺がいかに価格が重視されているかがわかります。
ブランドの平均効用値の比較グラフ
対してブランドの効用値結果を比較したグラフは以下の通りです。
カレーの最大ポイントと最小ポイントの差が9ポイント、ソーセージが6.5ポイント、袋麺が2.5ポイントで、袋麺ではブランドが重視されていない結果となっています。
ここからも他の商品に比べて袋麺はブランドはあまり重視されていない(価格が重視されている)ことがわかります。
シミュレーション
効用値を使ってシェア・シミュレーションを行う一例として「ラ王醤油」を取り上げてシミュレーションしてみました。
「ラ王醤油」の現状価格「317円」のシェアは「6.2%」ですが、価格を「287円」まで30円下げてみると、シェアは「29.6%」になり、大幅にシェアアップが見込めることがわかります。
その他BPTOでは以下が明らかになります
» 価格変動: 自社の値上げ、値下げ、競合の値上げ、値下げでの販売量変化
» 商品変更: 自社競合のパッケージや機能変更・付加の売上影響
» 商品価値: 平均的な商品像からの価格価値
» 売上指数: 最も売り上げ(利益)が出る価格は?
BPTOは飲料や食料品、洗剤等の日用品だけではなく、衣食住遊に関する全ての商材やサービスのジャンルをカバーします。
どんな業種にもあてはまると思いますのでぜひお気軽にご相談ください!