2020.11.18 |
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ゼリー飲料に関するプライシング調査 [MTレター049]
20~69歳の592名を対象に「ゼリー飲料」をテーマとして自主企画のプライシング調査を実施しましたので案内させて頂きます。
調査手法
BPTO調査(Brand Price Trade Off)
BPTO調査はDCやCBC等と呼ばれる「選択型コンジョイント調査」の一種で、商品と価格のトレードオフを計量する手法です。
BPTO調査では「自社や競合の商品が変更になったり、値上げや値下げをしたときに、どのくらい販売量やシェアが変化するのか、つまりどのくらいの利益が出るのか?」などをシミュレートできます。
属性水準表
BPTO調査では被検者に呈示する「属性」と「水準」を決めます。
BPTO調査は「Brand Price Trade Off」の名前の通り、「ブランド」と「価格」のトレードオフ調査ですので、属性は「ブランド」と「価格」になります。
「ブランド」属性の水準はゼリー飲料の銘柄、「価格」属性の水準はゼリー飲料の価格を設定します。
今回のBPTO調査の属性水準表は以下の通りです。
[TIPS]
できるだけたくさんの商品(ブランド)を対象とした方が良いですが、現実問題としては難しいので目標として市場の8割をカバーするくらいのTOPブランドを入れることをオススメします。
価格水準は実態価格の上限x1.2倍~下限x1.2倍程を目安にして下さい。
結果サマリー
〇人気ブランドは「inゼリー」が圧倒的という結果に!
一般設問で「1か月以内に購入したものは?」を聞いた結果が以下グラフです。
1か月以内に購入した製品は「inゼリー」が最も多く、全体で約6割、男性では7割近く、女性で5割程度でした。
次いで2位をみると、全体では「ミニッツメイド朝バナナ」、男性は「アミノバイタルゼリー」、女性は「ミニッツメイド朝バナナ」となっています。
〇「ゼリー飲料」ブランドの効用値の結果は?
ブランドの効用値のグラフは以下の通りです。
効用値でも「inゼリー」が最も高く(約2.3ポイント)、次いで「一日分のビタミン(1.1ポイント)」、「C1000 ビタミンレモンゼリー(0.8ポイント)」という結果でした。
※「平均効用値」とはBPTO(コンジョイント)調査で各ブランドごとにどの程度人気があるのかをプラスマイナスゼロを中心として表す数値です。
〇「ゼリー飲料」の価格の効用値は?
価格の効用値は以下の通りです。
価格の効用値は15円上がるごとにほぼリニアに効用値も下がっており、特に「〇〇円以上になると効用値が下がる!」ような急落ポイントはありませんでした。
〇実力がある「ゼリー飲料」は?
もう少し詳しく各商品の実力がどれ位かを見るのに「総合効用値」があります。
総合効用値は「各ブランドのそれぞれの効用値」と「それぞれの価格の効用値」を足しあげたもので、その価格ポイントにおける商品の実力と言えます。
以下は各ゼリー飲料の総合効用値を比較したグラフです。
最も人気のある「inゼリー」で最高値の「230円」の効用値が約1ポイントとなっています。
2位と3位のブランド(「一日分のビタミン」「C1000 ビタミンレモンゼリー」)が「inゼリー」に並ぶためには価格を「200円」程度にする必要があります。
4位と5位のブランド(「ミニッツメイド 朝バナナ」「即効元気ゼリー」)は価格を「170円」にして「inゼリー」と並びますが、6位以下は「170円」でも「効用値が1ポイント」に満たない、つまり「inゼリー」の競合になるのは難しいという結果になっています。
〇「1日分のビタミン」でシェアシミュレーションしてみたら?
仮に「1日分のビタミン」の価格を下げてみたらシェアはどうなるの?というシェアシミュレーションを実施してみました。
「1日分のビタミン」は現状「200円」の売価で、シェアは「6.4%」です。
価格を「185円」にしたらシェアは「8.9%」、「170円」にしたら「11.3%」になることがわかります。
どこからシェアを奪うかをみてみると、上位3製品および下位の製品は「1日分のビタミン」のシェアが変化してもシェア比率は変わりませんが、上位4位~6位の製品がシェアを奪われていることがわかります。
その他BPTOでは以下が明らかになります
» 価格変動: 自社の値上げ、値下げ、競合の値上げ、値下げでの販売量変化
» 商品変更: 自社競合のパッケージや機能変更・付加の売上影響
» 商品価値: 平均的な商品像からの価格価値
» 売上指数: 最も売り上げ(利益)が出る価格は?
BPTOは飲料や食料品、洗剤等の日用品だけではなく、衣食住遊に関する全ての商材やサービスのジャンルをカバーします。
どんな業種にもあてはまると思いますのでぜひお気軽にご相談ください!