2019.05.08 |
---|
[MTレター024] BH撮像とCJT解析のちょっと似た関係
配信停止をご希望の方は本メールの末尾のご案内をご確認下さい。
▼ご挨拶
「日本も信用スコアの時代がくるのでしょうか?!」
マーケティングテクノロジー藤井でございます。
長いGWも終わりいよいよ令和の時代となりましたがみなさまいかがお過ご
しでしょうか。
ちょうど1年前配信のMTレターのこのコーナーで中国の信用スコア「芝麻信
用」を紹介させて頂きましたが、その後日本でも各社から信用スコアサービス
ローンチのニュースを耳にするようになりました。
信用スコアとは、オンライン決済や電子マネーの利用履歴、過去の借り入れ
情報を元にユーザーの信用力を数値化したもののことです。
日本も信用スコアの時代がくるのでしょうか?!
とはいっても日本の信用スコアは個人向け融資サービスに利用する目的が
ほとんどのようで、今のところ中国のように広く一般社会で利用されるよう
ではなさそうです。
〇ドコモスコアリング
NTTドコモは回線契約者の情報を活用した「信用スコア」を金融機関向けに
提供すると発表しました。「ドコモスコアリング」として個人向けの融資
審査などに活用してもらうというものですでに新生銀行が導入を決定して
います。
信用スコアは、ドコモが持つ契約内容、回線利用時間、携帯電話料金の支払い
履歴などのビッグデータと、顧客の年齢や性別といった属性データを活用して
算出されるそうです。
金融機関がユーザーから融資の申し込みを受けた際にユーザーの同意のもと
活用するために提供するもので、一般ユーザー対象ではないとのことです。
〇LINE Scoreと個人ローン「LINEポケットマネー」
LINEは、LINE Credit社を通じて信用スコアリング事業「LINE Score」の
提供を開始することを発表しました。
LINEアプリ上の利用動向からユーザー毎の行動傾向を分析しスコア化する
ものです。
「LINE Score」は、LINE上のコミュニケーション頻度やニュースの接触な
ど、日常生活におけるさまざまな行動傾向に基づき信用スコアを算出します。
例えば、昔からの友人知人とコミュニケーションしている人、新しい友人
知人とコミュニケーションする人、といった傾向を分析したり、オンライン
のニュースの種類や見ている時間帯や頻度などの傾向データを把握するなど、
LINEアプリを通じた動向から行動傾向を把握します。
さらにユーザーが入力する属性情報をもとに「今の時代にあった信用スコア
を算出する」とのことです。
算出された信用スコアはLINEが提供するさまざまなサービスに活用するとの
ことで、あわせて「LINEポケットマネー」も2019年上半期にサービスローン
チを発表しました。
「LINEポケットマネー」はLINEが個人向けに行う無担保融資サービスです。
利用可能額や金利がLINE Scoreのスコアによってユーザー個々に合わせて
算出されるとのこと。
フリーランスで働いていて信用情報機関による従来の審査ではローンが通り
にくいといった人も、実際の生活に即した信用スコアが高ければお金を借り
ることができるといった場合や、金利が低くなるといったメリットがあるよ
うです。
さらにLINEはみずほ銀行と組んで「LINE BANK」を設立することも発表
しています。
〇AIスコア
AIスコアはジェイスコアが提供するスコアサービスで、ジェイスコアは
みずほ銀行とソフトバンクの共同出資により誕生した新しい金融機関です。
AIスコアは利用者がいくつかの質問に回答し、その回答がスコアに反映
されるところがドコモスコアリングやLINE Scoreとは異なるところです。
簡単にデモ体験でき、年齢、勤続年数、年収、雇用形態、趣味を答えると
AIスコアの予想値が出ます。私の予想値は1,000点満点中800~900点でした。
さらに詳しい質問に答えていくと信用スコアを算出してくれます。
信用スコアを知るだけであれば、氏名や住所などの個人情報を入力する必要は
ないので気軽に試すことができます。今度試しにトライしてみようと思います。
このAIスコアもジェイスコアが提供する「AIスコア・レンディング」という
個人向け融資サービスに利用されるそうで、AIが利用者の信用度に点数を
つけ、金利や限度額を自動で決めるそうです。
みずほ銀行の持つ顧客データ分析やローン審査ノウハウとソフトバンクの
AIを用いたデータ分析を融合し、顧客データをスコア化して融資に活用する
そうです。
〇認知度
このように各金融機関などが個人向け融資サービス拡大のために信用スコアを
利用する動きがありますが、ユーザー側の認知度は高くないようです。
2018年9月の調査では、「信用スコア」という言葉を知っていると回答した
人は全体の約2割だったようです。
信用スコア活用への賛否について尋ねたところ、賛成は全体の36%、反対は
64%となり、否定的な意見が多かったとのこと。
これから徐々に普及していくのか、あくまでも個人向け融資サービス限定の
スコアなのか気になりますね!
[MTレター012] 中国の信用スコア「芝麻信用」記載号
こちら
J.Scoreサイト
https://www.jscore.co.jp/
(記:藤井 )
▼タレマ!
「 またテレビに出てほしい有名人といえば・・・? 」
担当の武江です。
タレマ!とはタレントマーケティングの略で、毎回テーマを定め、テーマから
どんな有名人を想像するかという調査を行い発表させていただきます。
また、他にも定例の質問といたしまして、最近CM等で目にした有名人を調査
しており、そちらもまとめております。
今月はまたテレビに出てほしい有名人といえば?ということでどんな有名人を
想像するかを全国の15歳以上の男女5004人を対象に調査を行いました。
結果は下記の通り!です。
引退宣言をしたあのメジャーリーガーが首位に!
またテレビに出てほしい有名人について調査したところ、1位は引退宣言を
した、「イチロー」と答えた人が全体で235人で1位となりました。2位には
2016年に解散した「SMAP」(162人)、3位には2020年で活動休止を宣言
している「嵐」(130人)がランクインしました。
ランキング常連のあのグループが遂に首位陥落!
最近CM等で目にした有名人について調査したところ、「イチロー」が全体で
1075人で首位となり、ユンケルのCMとNTTのCMで目にした人が約30%と
なっています。
2位には「嵐」でJALのCMで目にした方が最も多く151人でした。3位には「綾瀬
はるか」が341人で3位にランクインし、グリコのCMで目にした人が最も多く47
人でした。
どちらの詳細も下記リンクよりご覧ください。
https://www.qnri.net/kt/MarketingT/tm/admin/dataH_201905.php
以上タレマ!でした。
(記:武江)
▼コンジョイントQ&A
「 シェアシミュレーションの種類 」
再びマーケティングテクノロジー藤井でございます。
コンジョイントでは解析結果から得られた「効用値」を元にシェアシミュレーシ
ョンを行うことができるようになります。
自社や他社の商品特徴を変更した場合にどのような波紋が市場に起こるのか。近
未来を予測することが可能で、これがコンジョイント分析の醍醐味であるとも言
えます。
一般的なシミュレーション方法は以下の2種類に大別されます。
〇First Choice
各回答者が総合効用値の高いもの同士(BESTな組み合わせ)を選択したとし
て、回答者全員を振り分け、全体のシェアを算出します。
BESTな組み合わせを「1」に、その他を「0」とします。
結果はやや傾向が極大化(スティープ)になりますが、はっきりとわかります。
また、この解析では個々のサンプルごとにどの商品に反応しているのかが分かり
ますので、「この商品を買いたいと言っている人はどんな人?」とさかのぼって
辿ることが可能となります。
First Choiceは車やバイクなどの耐久消費財で代替しにくい製品のシミュレーシ
ョンで使われることが多いです。
〇Share of Preference
回答者がよいと思うプロダクト(組み合わせ)に対して、プロダクトAは
60%、プロダクトBは40%、というようにシェアを割り振って算出します。
選好確率モデルと言われます。
結果は当然ながら比較的マイルドつまりフラットになります。
Share of Preferenceは飲料やお菓子、食品などの消費財で、購入の際に「〇〇
がなければ△△を買おうか」というような代替しやすいもののシミュレーション
に使われることが多いです。
リサーチャーはShare of Preferenceのシミュレーションモデルを使った方が解
釈がしやすいとも言われています。
その他「全く新しい製品であり、競合がいない状況のマーケットを想定」してい
る場合の使用が推奨されているオプションとして以下があります。
この世にない製品で、上市して果たして売れるかどうか想定しづらい場合に利用
します。
〇Purchase Likelihood Option
上記2つのシミュレーション方法を含む、他のモデルは仮想プロダクト間の相対
的な関係からシェアを算出するのに対し、こちらのモデルでは、仮想シナリオ中
の各プロダクトについてそれぞれ独立して各回答者の購入意向を計算します。
意向については以下の式により算出されます。
P(Probability)=e^各総合効用/(1+e^各総合効用) e:自然対数
を個人について算出し、サンプル数分平均する。
シミュレーションまで実施できるコンジョイント調査、ぜひお試し下さい!
弊社コンジョイントサイト
https://m-te.com/mte/conjoint-analysis-2/
(記:藤井 )
▼スタッフコラム
「BH撮像とCJT解析のちょっと似た関係」
先日、史上初のブラックホールの撮影に成功したとのニュースが世界中を駆け巡りました。
人類が初めて目にするドーナッツ状の光の環とその中にある黒い影の映像は感慨深いものがありました。
このブラックホールはM87銀河という5500万光年と途方もなく遠いところにあるものです。
ちなみにウルトラマンの故郷の光の国はM78星雲ということで、本当はこのM87だったのを間違えてM78と記載してしまったためだそうです。
これだけ遠い距離にあると撮影で捉えた光は、当然ながら5500万年前の姿ということになります。
そして5500万光年もの距離が離れているということで、光は間延びして地球に届く頃には電波になっているのです。我々が見ている光(可視光)も電磁波の一部分なのですね。
この遠くから届く電波を超長基線電波干渉法(VLBI)という方式で、世界中の8つの電波望遠鏡をつないで仮想の大口径望遠鏡として、視力300万で捉えようというのが日本を含む世界中の専門チームが集結したEHT(事象の地平線望遠鏡)というプロジェクトでした。
この8つの電波望遠鏡全体で記録する膨大な電波情報データを、極めて高精度に同時管理するという非常に難しい挑戦のようでした。
膨大なデータと簡単に言っていますが、実際に8つの望遠鏡で5ペタバイト=5X1,024テラバイトというこれまた途方もないデータ量になったそうです。
データは物理的なハードディスクに格納されその重量も500kgと大変なものです。
この干渉法という撮影の仕方では、この8つの望遠鏡からのデータを統合して解析するという非常に重要なステージがあります。
実は、すぐに写真として見られるという訳ではないのです。
また、実際に観測できたのはブラックホールシャドウとそれを取り巻く光の環のごく一部であり、ジグソーパズルの一部がバラバラに判明したに過ぎない状況なのです。
ここからが本当に大変です。ピースとピースの間を計算により推定して画像とするのです。このアルゴリズムを構築するのが非常に大変だったようです。
世界中の各チームでそれぞれの独自のアルゴリズムを持ち寄り、各チームの画像が共通して同様な結果が得られればそれは正しいとするような推定の仕方をしていたようです。
実際の撮影から発表まで2年近くを要しています。
このEHTというプロジェクトに参加した日本のチームは「スパースモデリング」という方法でアプローチしたとのことです。
これは少ないデータから全体像を推定するということです。このチームの先生もスパースモデリングは「優秀な探偵に似ている」と表現しています。
優秀な探偵は膨大な経験に基づき、現状のわずかな情報から最もリーズナブルな形を推定し、全体像を描き真実に迫るということです。
私たちもよく利用するコンジョイント分析やMaxDiff法等で個人別の効用値を推定する際に、階層ベイズという方法で行いますが、いわばこのスパースモデリングに近い方法と言えるかもしれません。
個人一人ひとりの回答の情報量はやや少ないので効用値推定には少々心許なくても、各々のデータは個人個人の特徴と全員に共通の特徴に分解できるという考え方に基づき、個々の特徴はそれぞれ異なっても背後に共通の「事前分布」を設定することで各個人を個別に考えるのではなく、個人個人に緩い繋がりを持たせているというイメージです。
個々のデータとしてモデルを作っているにも関わらず全体の傾向も加えることができ、モデルの過学習を防ぐこともできるというやり方です。うーん。なかなか難解ですね。
※一応ですが、「階層」と呼ばれるのは推定するパラメータの事前分布に更にパラメータ(ハイパーパラメータ)を持つ分布を採用し階層的に分析を行っているからだそうです。
電波望遠鏡の精度アップ等の技術進歩もすごいのですが、こうした解析技術の発展も同様に進んでいるのですね。
(記:田村 )
●弊社サイト
https://m-te.com/mte/
●弊社でラインスタンプ作りました!
https://line.me/S/sticker/1100513
ご希望の方にプレゼントさせて頂きます。
弊社スタッフまでご用命ください。
●弊社へのお問い合わせ、あるいは、こんなギミックがほしい等ご希望がありましたら
各担当、または info@m-te.com までお気軽に!
●コンジョイント無料セミナーやってます!
内容: https://goo.gl/vjmrPo
無料セミナーお申込みは: https://goo.gl/1QMkJw
いつでも御社にお伺いします。
ご用命はお気軽にどうぞ。
====================================
マーケティングテクノロジー株式会社
〒162-0842
東京都新宿区市谷砂土原町3-4-2-011
03-3260-2648
0120-88-2648
info@m-te.com
====================================