ACAはAdaptive Conjoint Analysis の略で、主に一対比較型の質問形式を取り、あまり回答者に思考上の負荷をかけずに、ある程度たくさんの商品構成要素(属性)を扱うことができるコンジョイント調査手法です。
伝統的なコンジョイント方法やCBCと異なり、商品やサービスの要素(属性)が消費者にとって、どの程度大事なのかあらかじめ分からなくとも『取りあえず、入れておくか』というアプローチが可能になります。
ACAに向いているもの
ACAでは、たくさんの評価すべき要素を含む製品でのコンジョイントに向いています。
左右に仮想製品が配置され、対象者は右か左か、好きな方を選ぶ作業を繰り返していきます。一対比較型とも言われます。
ACAの4パート
魅力度質問パート
魅力度質問パートでは各属性水準それぞれについての魅力度を段階質問で聞きます。
3つの水準の場合、魅力度質問での段階評価のスコア、1、2、3、であれば評価が高いものについて3、2、1と逆転して得点とします。
各属性の平均を引いて各属性内で合計が0となるようにスコア配分を行います。(3+2+1)/3=2。よって3-2=1、2-2=0、1-2=-1となり、1、0、-1が評価得点となります。(わかりやすいよう3つの水準で話しています。)
次に、どの属性においても統一的に絶対値5点(5段階評価であれば)とした配分に変換します。すると1、0、-1は5、0、-5に変換されました。
重要度質問パート
次に重視度質問パートによる重要度を考慮した得点配分に変換されます。
例えば、重視度質問では、魅力度質問にて、最も魅力的な水準と、最も魅力的でない水準を提示しその差の重要性について得点で答えてもらいますが、それぞれ4点、1点として選ばれていた場合、この2水準間の差は3点となります。
上記の5、0、-5をレンジである3点に当てはめます。すると1.5、0、-1.5となります。
これが当初効用値となります。
一対比較質問パート
これまでの回答を元に一対比較質問用のカードが各個人ごとに選ばれてきます。
一対比較質問の結果を元に上記で算出された当初効用値をアップデートしていきます。
左右の部分プロファイルで提示されたものについて左右どちらがどの程度よいのかをスケールで聞いています。そのスコアと部分プロファイルで適合する属性水準について最小二乗法によりスコア補正を行っていきます。これを繰り返します。
確認質問パート
最後に確認質問パートで、最も好ましいプロファイル、好ましくないプロファイル、中庸なプロファイルが提示され、それぞれスコアを記入してもらいます。
各プロファイルに与えられたスコアとそれぞれの総合効用(現状までの)をロジスティック回帰分析することにより回答一貫性および算出効用値への補正が行われます。