Volumetric CBC(ボリューメトリックCBC)とは、単純に「どのブランドのどの製品が選ばれる」というだけでなく、『どのブランドのどの製品がいくつ購入される』のかを計量し販売量に占める自社製品等の未来のシェアを予想したり、シミュレーションするために、購入意向とその量を測定する方法です。
扱えるテーマや商材
購入に際し、パッケージやSKUの概念が強いFMCG (fast-moving-consumer-goods) 等におすすめです。
・飲料や食品
・紙おむつ
・ティッシュやトイレットペーパー
・ヘアケア・ボディケア製品
・洗剤 等々
質問イメージ
得られる結果
通常のCBCと異なり、パック数などSKU別での購入数を測定します。
これにより、通常はブランドや製品単位でのマインドシェアを求める形を取りますが、Volumetric CBCでは、対象者全員で購入するはずである総パック数をベースにシェアの配分を考えます。
従って、適正に調査を行うことができれば、複数消費や一度にいくつも購入する可能性のあるFMCG(fast-moving-consumer-goods) では非常に正確な販売量予測を立てることが可能になります。
上記の例では、10人(実際にこの人数では少なすぎますが)の購入者がいた場合、各人ごとにその人が購入するであろう最大購入パック数を求めます。(各人の最大購入数能力です)
10人分の最大可能購入数を求めると50パックとなっています。
ここでは、たまたま製品A~Cまでの3つの仮想マーケットとしています。すると本当は製品D、E、Fがあるので購入機会の損失が起こっているということになります。それが77.1%となっており、10人に対して38.5パックが買われるはずだったところ、買ってもらえなかった訳です。
製品Aは13.9%で10人だと7パック購入されるということです。
その下の行の「ボリュームを考慮しない・・・」はふつうのCBCとして製品ごとのシェアを算出したものです。こちらはパック数の概念がないので製品 Aは33.1%となっています。Bは40.1%です。(また、購入機会損失という概念もありませんのでA~Cのどれかになるという想定です)
つまり何が言えるかと言えば、たとえば製品Bは40.1%と人気が高いけど、パック数としては多くなかったので、ボリュームで考えると5.6%と製品Aの13.9%よりも少ないということがわかったわけです。
(通常はこうしたVolumetric CBCと通常のCBC的処理の比較検討調査や処理はしませんが。)
※併せて弊社ではturf分析も可能ですので、最適な棚の構成(通常は自社製品SKUで棚割カニバリの存在が懸念されます)を算出することができます。
注意点
Volumetric CBCは非常に回答者への負荷が高い調査になります。
また、SKUでの複数購入が比較的容易に想定できる調査票作りが必要です。
そして、消費する想定期間(「この1ヶ月」とか「この1週間」等)も重要となります。
たとえば、「この何週間の間」に、「○○製品」の「何本入り」を「何パック」と考え方が多段的になることが多く高負荷となります。本当に回答できるのか、回答信頼性が保てるのか、事前のテストが重要となります。