コンジョイント結果は重要度と効用の度合を測定するだけではありません。
解析結果から得られた「効用値」を元にシェアのシミュレーションを行うことができるようになります。
つまり、自社や他社の商品特徴を変更した場合にどのような波紋が市場に起こるのか。近未来を予測することが可能となるのです。
これがコンジョイント分析の醍醐味であるとも言えます。
いわゆる一般的なシミュレーション方法は以下の2種類に大別されます。
First Choice
各回答者が総合効用値の高いもの同士(BESTな組み合わせ)を選択したとして、回答者全員を振り分け、全体のシェアを算出します。
BESTな組み合わせを「1」に、その他を「0」とします。
結果は、やや傾向が極大化(スティープ)になりますが、はっきりとわかります。
また、この解析では個々のサンプルごとにどの商品に反応しているのかが分かりますので、「この商品を買いたいと言っている人はどんな人?」とさかのぼって辿ることが可能となります。
Share of Preference
回答者がよいと思うプロダクト(組み合わせ)に対して、プロダクトAは60%、プロダクトBは40%、というようにシェアを割り振って算出します。
選好確率モデルと言われます。
結果は当然ながら比較的マイルドつまりフラットになります。
リサーチャーはこちらのシミュレーションモデルを使った方が解釈がしやすいとも言われています。
Purchase Likelihood Option
上記2つのシミュレーション方法を含む、他のモデルは仮想プロダクト間の相対的な関係からシェアを算出するのに対し、こちらのモデルでは、仮想シナリオ中の各プロダクトについてそれぞれ独立して各回答者の購入意向を計算します。
意向については以下の式により算出されます。
P(Probability)=e^各総合効用/(1+e^各総合効用) e:自然対数
を個人について算出し、サンプル数分平均する。
※このモデルは「全く新しい製品であり、競合がいない状況のマーケットを想定」している場合での使用が推奨されています。