2020.10.21 |
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ヨーグルトに関するプライシング調査 [MTレター047]
20~69歳の644名を対象に「ヨーグルト」をテーマとして自主企画のプライシング調査を実施しましたので案内させて頂きます。
調査手法
BPTO調査(Brand Price Trade Off)
BPTO調査はDCやCBC等と呼ばれる「選択型コンジョイント調査」の一種で、商品と価格のトレードオフを計量する手法です。
BPTO調査では「自社や競合の商品が変更になったり、値上げや値下げをしたときに、どのくらい販売量やシェアが変化するのか、つまりどのくらいの利益が出るのか?」などをシミュレートできます。
属性水準表
BPTO調査では被検者に呈示する「属性」と「水準」を決めます。
BPTO調査は「Brand Price Trade Off」の名前の通り、「ブランド」と「価格」のトレードオフ調査ですので、属性は「ブランド」と「価格」になります。
「ブランド」属性の水準はヨーグルトの銘柄、「価格」属性の水準はヨーグルトの価格を設定します。
今回のBPTO調査の属性水準表は以下の通りです。
[TIPS]
できるだけたくさんの商品(ブランド)を対象とした方が良いですが、現実問題としては難しいので目標として市場の8割をカバーするくらいのTOPブランドを入れることをオススメします。
価格水準は実態価格の上限x1.2倍~下限x1.2倍程を目安にして下さい。
結果サマリー
〇「よく買われているブランド」と「人気ブランド」が異なるという結果に!
上記は「よく買われているヨーグルト(青色グラフ)」と「ブランドの平均効用値(緑色グラフ)」の調査結果です。
スーパーやコンビニ等で過去1ヶ月以内に購入したヨーグルトを聞いたところ、1位「明治ブルガリアプレーン」、2位「ビヒダスプレーン」、3位「ナチュレ恵」という結果になりました(左目盛り)。
一方、コンジョイントのブランド平均効用値の結果は1位「明治ブルガリアプレーン」、2位「明治ブルガリア脂肪0」、3位「ビヒダスプレーン」になりました(右目盛り)。
全般的に「よく買われるブランド」と「人気ブランド」の順位が異なることが多く、ヨーグルトは必ずしも「人気ブランド=よく売れるブランド」ではないことがわかる結果となりました。
※「平均効用値」とはBPTO(コンジョイント)調査で各ブランドごとにどの程度人気があるのかをプラスマイナスゼロを中心として表す数値です。
〇ヨーグルトのプライシングでの注意点は?
価格の平均効用値をみてみましょう。
20円ずつ価格がアップするのに伴い概ねリニアに効用値が下がっていきますが、「200円」を境に効用値の傾きがやや緩くなっています。
200円以下では価格による効用値上昇のメリットが大きいことがわかります。
言い換えると、「200円以下」は「200円以上」よりも価格が効用値(好まれ度)に影響するので、「200円以下」は慎重にプライシングを行う必要があります。
〇実力があるヨーグルトは?
もう少し詳しく各商品の実力がどれ位かを見るのに「総合効用値」があります。
総合効用値は「各ブランドのそれぞれの効用値」と「それぞれの価格ポイントの効用値」を足しあげたもので、その価格ポイントにおける商品の実力と言えます。
以下は「明治ブルガリアプレーン」「ビヒダスプレーン」「ナチュレ恵」で総合効用値を比較したグラフです。
総合効用値「3ポイント」にフォーカスしてみると、「明治ブルガリアプレーン」は「170円」、「ビヒダスプレーン」は「150円」、「ナチュレ恵」は「130円」となっています。
各製品それぞれが「170円」「150円」「130円」の場合に総合効用値が「3ポイント」と同じスコアになりますので、この20円ずつの差が各ブランドの実力差であると言えます。
その他BPTOでは以下が明らかになります
» 価格変動: 自社の値上げ、値下げ、競合の値上げ、値下げでの販売量変化
» 商品変更: 自社競合のパッケージや機能変更・付加の売上影響
» 商品価値: 平均的な商品像からの価格価値
» 売上指数: 最も売り上げ(利益)が出る価格は?
BPTOは飲料や食料品、洗剤等の日用品だけではなく、衣食住遊に関する全ての商材やサービスのジャンルをカバーします。
どんな業種にもあてはまると思いますのでぜひお気軽にご相談ください!