2020.06.24 |
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シミュレーションの方法(モデル)について教えて下さい。
大きく分けて2つのシミュレーション方法があります。一つはShare of Preference(Luceの選択公理)、First choice(最大効用モデル)です。
①1st choice: 最大効用値モデルでは、この確率を、該当するプロファイルを選択する回答者の予想数を、回答者の総数で割ることにより求めます。
各回答者は、単純に最も全効用の大きいプロファイルを選択すると予想します。
②Share of Preference(Luceの選択公理): BTL (Bradley-Terry-Luce) モデルでは、この確率を、該当するプロファイルの効用の全回答者平均と、全シミュレーション プロファイルの効用の全回答者平均の比から求めます。
ファーストチョイスは単純に仮想製品に対応する各個人の総合効用値を算出し、
どの仮想製品が最も総合効用が高いのかを見つけ、それを買うであろうと決めて
しまう方法で、非常に簡単なものです。しかし、総合効用差がほとんどなくても
どれかに決めてしまうため、結果がややピーキーであると言われています。
これに対し、Share of Preferenceモデルでは、決め打ち選択ではなく、選択確
率を用いるため、同じ個人でも7割はこちらの製品、3割はこちらの製品というよ
うに確率でシェアを求めるようになります。結果としてはマイルドであり、一般
的にマーケッターが理解しやすいシミュレーション結果が得られると言われてい
ます。
ただし、First Choiceの場合、どの仮想商品を選択するのかが「1個人=1製
品」とはっきりするのに対し、Share of preferenceでは確率になってしまうた
め、「1個人=多製品」の関係となってしまいます。
よって、この「商品」を選ぶであろう人がどのような人かを逆に追うことができ
なくなります。
【Firstchoice】
1つ目は、最も単純な方法でFirst Choiceモデルというものです。
以下にアイスクリーム調査を例として説明いたしますと、
Utility(効用値)
チョコ 0
バニラ 30
イチゴ 40
¥80 50
¥100 25
¥150 0
という結果がある対象者について得られたとします。
この効用値を使って、この対象者が「製品(a):バニラ味が¥100」と「製品(b):
イチゴ味が¥150」のどちらを購入するのか予測します。
製品ごとに効用値を足し上げます。
バニラ(30効用) + ¥100 (25効用) = 55効用
イチゴ(40効用) + ¥150 (0 効用) = 40効用
従って、この対象者は「製品(a):バニラ」を好むと予測できます。このような
択一予測をすべての対象者について行います。
たとえば500人が回答していた場合、以下のような形の択一選択結果が予測でき
ます。
Share of Choice
「製品(a):バニラ味が¥100」派 300/500 = 0.60
「製品(b):イチゴ味が¥150」派 200/500 = 0.40
上記のような結果になったとします。
この場合、我々の仮想市場でのシミュレーションでは、6割がバニラ、イチゴは
残りの4割になると予測できます。これが最も単純なシミュレーション方法で、
「First Choice Model」と呼ばれるものです。
簡単な方法ではありますが、やや結果がピーキーになります。
【Share of preference】
もう一つは、Share of preferenceと呼ばれる方法です。
各対象の効用の指数 expをその対象の尺度値とし、その対象者の選択確率はこの
尺度値の相対比で表されるというモデルです。Luceの選択公理あるいはLuceモデルとも呼ばれます。
製品Aと製品Bの2製品のマインドシェアを計算する場合を例に取ります。
1. 回答No1の製品Aに対する全体効用値を計算する・・・(効用値1A)
製品Aの該当する属性レベルの効用値を足して全体効用値を算出する
2. 回答No1の製品Bに対する全体効用値を計算する・・・(効用値1B)
3. e を底とする数値のべき乗・・・EXP(効用値1A)、EXP(効用値1
B)を計算する
4. EXP(効用値1A)/(EXP(効用値1A)+EXP(効用値1B))
として回答No1の製品Aのマインドシェアを計算する・・・(マインドシェア
1A)
5. EXP(効用値1B)/(EXP(効用値1A)+EXP(効用値1B))
として回答No1の製品Bのマインドシェアを計算する・・・(マインドシェア
1B)
6. 全回答者について各製品のマインドシェアを求め、単純平均して回答者全体
のマインドシェアを算出する
※実際の計算方法については以下ファイルを参照。
シミュレーションモデルの説明 (Excel 166kb) (※Chromeの場合は右クリック「名前を付けてリンク先を保存」等にてDL可能です)